原子力規制委vs電力業界 決着見えぬ“活断層バトル” (1/5ページ)

2013.6.10 09:00

敦賀原発敷地内の「活断層」をめぐり、原子力規制委員会の田中俊一委員長(左)と日本原子力発電の浜田康男社長の溝は埋まらない

敦賀原発敷地内の「活断層」をめぐり、原子力規制委員会の田中俊一委員長(左)と日本原子力発電の浜田康男社長の溝は埋まらない【拡大】

 原子力規制委員会が、日本原子力発電敦賀原子力発電所(福井県)2号機の直下に活断層があると認め、再稼働に向けた安全審査をしない考えを示した。これに対し、日本原電の大株主である電力各社は怒り心頭だ。

 規制委の評価が、日本原電の調査データ頼みになっているにもかかわらず、「6月末までを予定する原電の独自調査の結論を待たず、拙速な判断を下した」と映ったからだ。規制委と電力業界の「泥沼の紛争」は、法廷に持ち込まれる可能性も出てきたが、専門家でも意見が割れる“難問”のため、「裁判官が判断を下すことなんてできるのか」(関西電力関係者)と、訴訟の効果を疑問視する声も上がる。

 お金も、人も、責任も無い「三無主義」

 「事業者の情報は、科学的な意味で信頼に足るデータとは思えない」

 2号機直下に活断層があるとする有識者会合の報告を了承した5月22日。規制委の中村佳代子委員は、日本原電を厳しく批判した。

 ただ、「事業者のデータに頼っているところに本質的な問題がある」(更田豊志委員)との声も上がるなど、調査手法の問題点も浮かび上がった。

「お金も人も十分でない。事業者の責任もある」と強調

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