安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」による景気回復への期待が高まっているが、厳しい中小企業の経営を下支えするには至っていない。こうした中、経営が悪化した中小企業に中国から多額の資本が流入するようになった。
リスクを嫌う国内資本に代わりチャイナマネーで息を吹き返す企業もある。中国資本の下、再建を急ぐゴルフクラブ製造の老舗、本間ゴルフ(東京都港区)の現場を訪ねた。
国内企業、名乗りなし
創業55年の歴史を持つ同社は2005年に経営破綻したが、同社の技術を高く評価した中国企業の支援を受け、業績は回復基調にある。
庄内空港(山形県酒田市)から車で20分ほど、約16万平方メートルの広大な敷地に本間ゴルフの酒田工場はある。創業者が1981年に故郷に造った工場だ。ただ現在の経営権は、中国で家電メーカーを起こして成功した実業家、劉建国会長が持っている。