仕上げの1年を迎えた米倉弘昌経団連会長の使命は後任選びだ。米倉氏は「あと6、7カ月のうちに考えていきたい」と年内の内定に意欲を示す。次期会長レースが始まった。
経団連の会長に選ばれるには「直前に副会長などの役職を務め、かつ出身企業の会長・社長」という内規がある。加えて米倉氏は昨年、次期会長の条件として「国際派」「経団連活動に熱心」「製造業出身」の3点を挙げ、今年は「モノづくり」で「年齢にこだわらない」と語った。該当する副会長は少ない。
本命視されているのは日立製作所会長の川村隆氏だ。日本を代表する製造業で筆頭副会長。73歳という年齢と「日立社内に経団連会長は受けないという暗黙の了解」(事情通)があることが懸念材料とされる。
三菱重工会長の大宮英明氏の名前も取り沙汰されている。同社が戦闘機など防衛産業に関わっていることを問題視する向きもあるが、今年4月に会長に就任し財界活動に専念できる環境が整った。