米マイクロソフト(MS)のスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は23日、東京都内で講演し、日本では同社初となるデータセンターを開設することを明らかにした。首都圏と関西圏の2カ所に設け、官公庁や金融機関のバックアップ体制の強化や増設などの需要に対応。インターネット上で情報をやり取りする「クラウドコンピューティング」のサービスを強化する。
データセンターはインターネット回線や情報の保守・運用サービスなどを提供する施設で、日本でも東日本大震災以降、需要が急伸している。MSはクラウドサービスの「ウィンドウズアジュール」の機能拡充や、国内メーカーとの協業などに注力しており、日本でのデータセンター開設もこの一環となる。
講演でバルマー氏は「日本の顧客はMS独自のデータセンターを安心して利用できる。日本企業や産業の競争力強化に活用してほしい」とアピールした。
一方、バルマー氏は「デバイス(ハードウエア製品)とサービスの会社に変貌する」とソフトウエア会社からの脱却を強調。同社はタブレット端末「サーフェス」などハードの開発を加速しており、「急激な変化の下ではハードウエアの設計にもMSが関与しないといけない。(日本の)パートナーとともに次世代のデバイスを作る」とし、日本でもスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレットの拡充を図る考えを示した。