中国経済の減速懸念が高まる中、日本企業が中国以外の生産拠点や投資先を東南アジア諸国連合(ASEAN)で模索する動きが広まっている。
中国での人件費高騰や尖閣諸島(沖縄県)の国有化で悪化した日中関係も背景だが、経済成長に伴うASEANの消費市場拡大に期待する動きも活発だ。リスク分散を目指し、中国と別の国の組み合わせた「チャイナプラスワン」が流行したが、“中国以外”をASEANで探ろうという方向に向かっている。
人件費が倍に
中国依存からの脱却では、すでに衣料関係などの企業が生産の足場を他のアジア諸国へ分散し始めている。
「洋服の青山」を展開する青山商事の子会社は今年2月、インドネシア中部のジャワ州スマラン郊外でスーツ製造の工場建設を開始した。