神戸製鋼所グループの神鋼建材工業が透明な防音壁「エコキューオンクリア」を開発し、拡販に取り組んでいる。壁の向こう側が見える上に光も通すことから、道路周辺の日照権をめぐるトラブルなどの解消に役立つとアピール。愛知県内の高速道路などに採用された実績をテコに、全国で設置事例を増やしていきたい考えだ。
エコキューオンクリアは、アルミに開けた微細な多数の穴で音エネルギーを吸収する防音壁「エコキューオン」を改良。素材に用いたアルミニウムの代わりに、「鉄やアルミに穴を開ける技術を応用できる」(神鋼建材技術部開発室の堀尾正治担当課長)という利点を持つポリカーボネートを使い、壁の「見える化」を実現した。
日照権対策や観光地の景観保護用のほか、作業風景を見えるようにしたい工場向けとして開発したものの、周囲にあるマンションなどの部屋が高速道路側から見え過ぎて、住民の迷惑になる事態も想定。すりガラス状にして光だけを透過するタイプも用意した。