企業側は拠点集約などの経費削減に血眼になり、需要が伸びなかった。賃貸人となる三菱地所は成約率を一切公表しておらず、「鋭意営業中」としている。関係者によると、グランドオープンまで3カ月ほどを残すだけとなった昨年末時点の契約率が5割前後にとどまることを取引先などに伝えているという。
入居検討中の企業はかなりの数に上るとみられるが、財界からは「オープンまでにすべて埋まらないのではないか」と危ぶむ声も出始めた。
引き抜きで同士討ちか
一方で大阪市阿倍野区で近畿日本鉄道が建設を進めるあべのハルカス。低層階に入る近鉄百貨店が6月に先行オープンし、中層階のオフィスフロアと高層階の外資系高級ホテルを含めたビル全体は来年春に開業する予定だ。
地上60階のうちオフィスは17、18階と21~36階を占め、床面積は約4万平方メートル。昨年末の時点で入居率は7割に達した。