テーブルの向こうに相手のスマートフォンが置かれている。それもカバーつきだ。画面が真っ黒で、その製品がどこのメーカーか、遠目には分からない。相手がスマホをいじり始める。チラッと見えるアイコンの種類や操作の手つきで、「あ、ぼくのと同じだ」と思ったり思わなかったりする。
アップルとサムスンがスマートフォンとタブレットコンピュータで、技術特許やインターフェースを巡って世界10カ国以上で係争している。アップルがサムスンを訴える、サムスンがアップルを訴える。どちらもある。ハードの形状も対象になっている。提訴の中身はそれぞれの国で違うし、勝敗の結果は国によって異なる。アップルが米国で勝っても、サムスンは日本で勝つ。負ければ控訴するので決着に至るには時間がかかる。
両社のグローバル市場における今後のシェア争いは、裁判の結果にも大きく左右される。しかもアップルの行方を阻もうとしているのはハードメーカーだけではない。グーグルやアマゾンなど今までと違った舞台にいた役者も立ちはだかる。現在この土俵に立てていない日本勢もバトルのフォローは欠かせない。