IGZOを使った薄膜トランジスタの基本特許について、JSTは国内外の企業に分け隔てなくライセンス供与する方針を打ち出しており、昨年夏には韓国サムスン電子と契約を結んでいる。すでに学会レベルでは、複数の企業がIGZOを活用したディスプレー技術を披露している。
この状況に対し、シャープ側は「学会レベルでは複数の企業がIGZO関連技術を発表しているのは事実です。ただ、量産化するための“作り込む”技術が難しいので、簡単には追いつけない」と話す。
その上で「液晶への応用技術と製造技術は当社と半導体エネルギー研究所が特許を保有している。これを回避してIGZO液晶を作るのは困難なのでは…」と強気の姿勢を崩さない。
サムスンの本気度合い
とはいえ、IGZOに関心を寄せる韓国サムスンの2012年度の研究開発費見込みは13兆6千億ウォン(約1兆300億円)といわれ、シャープの約7倍にのぼる。