米IT大手のマイクロソフト(MS)とアップルで相次いだキーパーソンの辞任に波紋が広がってる。
いずれも社内の人間関係が辞任の背景にあげられ、米紙ニューヨーク・タイムズは「会社に利益をもたらすが、組織と調和が取れない逸材と向き合うCEO(最高経営責任者)の悩みを浮き彫りにした」と指摘した。
IT企業の“顔”ともいえる2社で起こった大物幹部の辞任劇はカリスマ後の企業統治を模索する後継者たちの足元を揺るがす事態に発展しかねない。
MSの旗艦OS(基本ソフト)「ウィンドウズ」部門の責任者、スティーブン・シノフスキー氏の運命が暗転したのは12日。その数週間前には、MSと同氏が満を持して投入した「ウィンドウズ8」の発表会見で満面の笑みを見せており、その時には辞任に追い込まれるとは夢にも思っていなかったはずだ。
シノフスキー氏は業務用を含めたソフト開発を主導。バルマーCEOの後継者の最有力候補だったが、日本の電機大手の米国法人関係者は「自信家の半面、社内や取引先と軋轢(あつれき)があった」と指摘し、米メディアはバルマー氏との不和説も退社の一因との見方を伝える。