スマートフォン(高機能携帯電話)向け充電機器の商戦が好調だ。中でも、国際標準規格「Qi(チー)」に対応し、電源コードにつなげずに専用パッドの上に置くだけで充電できる「ワイヤレス給電」を活用した関連機器が注目されている。メーカー各社は「世界規模での普及を目指したい」と息巻いている。
チーは、電子機器と充電パッドの双方に内蔵したコイルの間に、磁気を発生させて送電する仕組み。製品ごとに異なる専用充電器やコードがいらないため、廃棄物を減らせるメリットもある。
TDKは9月、台湾工場で、ワイヤレス給電用のコイルユニットの生産を開始した。スマホの本体に組み込む受電用コイルの厚さは業界最薄クラスの0.52ミリで、出力電流は0.7アンペア。来年には、0.5ミリの製品を量産する予定という。
同社は「薄いだけでなく、充電時間も短縮できる」と需要増を見込む。当面は月産50万個を計画している。