飛び乗る再編の波
ソフトバンクが米携帯電話3位のスプリント・ネクステルの買収を決め、高速データ通信サービス「LTE」を軸にした太平洋をまたぐ大型再編が実現する。ソフトバンク-スプリント連合は米携帯5位のメトロPCSコミュニケーションズや、LTEに移行する米無線通信会社クリアワイヤを傘下に収めることも検討しており、ソフトバンクは世界的な業界再編の重要なプレーヤーとなりそうだ。
LTEはスマートフォン(高機能携帯電話)で最大毎秒100メガビット以上と、光ファイバー並みの高速通信が可能になるサービス。ソフトバンクはLTEの国際展開を目指し、成熟市場の米国にあえて巨額投資を試みる。
スプリントは、旧スプリントと旧ネクステルが合併して2005年に事業を始めた。契約数は12年6月末時点で約5600万件にのぼる。11年12月期の売上高は330億ドル(約2兆6000億円)、最終損失は約28億ドル。AT&Tとベライゾン・ワイヤレスという2強に対してLTEで出遅れ、5期連続の赤字が続き、累損は400億ドルに上るともいわれる。