日本触媒姫路製造所(兵庫県姫路市)で起きた爆発事故を受け、流通業界では紙おむつ供給への懸念が広がっている。今のところ品切れなどの逼迫(ひっぱく)した状況はないが、一部のドラッグストアでは消費者の「買いだめ」が起きている。万一の品不足に備えて在庫の確保や積み増しなどの対応に乗り出す店舗も出始めた。
乳幼児用紙おむつブランド「パンパース」を展開する日用品大手の米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は、国内向けの紙おむつの吸収剤に使う高吸水性樹脂(SAP)の多くを日本触媒から調達。海外の別の取引先からの調達を増やすなど、事故に伴うSAPの供給不足の影響を最小限にとどめようとしているが、「代替品が入るまでに一時的に品薄になる可能性は否定できない」という。
山形、宮城両県でドラッグストアを展開するヤマザワ薬品(山形市)は万一の在庫切れに対応するため、今月下旬に実施する予定の特売で「パンパース」を取り扱わないことを決めた。