東芝ホームアプライアンスは8日、ロボット掃除機の新製品「Smarbo V(スマーボV)」を9月1日に発売すると発表した。国内のロボット掃除機市場は米アイロボット「ルンバ」の独壇場だが、ここにきて国内勢が一斉に巻き返しに動いている。共通するのは技術力で勝負を挑んでいる点だ。家電の花形だった薄型テレビ販売が落ち込む中、ロボット掃除機を家電の新たな収益の柱に育てようと躍起になっている。
「他社との競争に勝ちたい」。東芝ホームの石渡敏郎社長はこの日、東京都内で開いた新製品発表会でこう語り、アイロボットをはじめとするライバルへ敵意をむき出しにした。同社は2002年、ロボット掃除機を国内メーカーとして初めて発売したが、約25万円と高価だったこともあり、ほとんど普及しないまま撤退を余儀なくされた。
ただ、ここにきて共働きや高齢者世帯の増加を背景に、ロボット掃除機の市場は急成長。調査会社の富士経済によると、11年の市場規模は93億5000万円(国内メーカーの海外販売を含む)に達し、20年には560億円と約6倍に膨らむ見通し。東芝ホームは昨年10月に再参入に踏み切った。