これら端末は、データ通信にはLTE回線を使っているが、音声通話は第3世代携帯電話(3G)回線を使用。このため、通信会社は3GとLTE用の2種類の基地局設備が必要になっている。
これが一本化されれば、設備がLTE用のみで済むため、投資負担が軽減され、サービス料金の引き下げにつながる可能性もある。例えば、通常は従量制が基本の音声通話の料金が、データ通信とセットで「定額制になる可能性もある」(SMBC日興証券の森行真司シニアアナリスト)。
音声の品質についても、LTEの周波数効率は3G規格に比べ2~3倍以上、速さも最大30倍のため、クリアに再現できるようになる。
LTEをめぐっては、KDDI(au)とソフトバンクも今秋からデータ通信サービスを開始する。ただ、海外では韓国が今年中にLTE回線による音声通話サービスを始め、米国も来年中に始める予定。総務省はこれら海外の動向も視野に入れ、一本化を急ぐ。(大坪玲央)