スマホ、サービス開発競争へシフト 端末機能では差別化できず (2/2ページ)

2012.5.17 05:00

NTTドコモの夏モデル。19機種のうち16機種がスマートフォンだ=16日、東京都港区

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 機種拡充に合わせ、サービスも強化する。音声ガイダンス「しゃべってコンシェル」の機能を拡充。これはインターネット上の膨大な情報をもとに、質問の答えを推定するが、従来よりも答えの精度が向上する。さらに、スマホ向けコンテンツサイト「dマーケット」には角川書店と連携し、アニメが月額420円で見放題の「アニメストア」を7月中に新設する。

 一方、KDDIも今月以降、月額590円で映画やドラマなどが見放題の「ビデオパス」などのサービスを始める。すでに始めているアプリ取り放題のサービスは好調で、今年度の契約件数は500万をにらむ。

 両社がこうしたサービス開発を急ぐのは、スマホが浸透し、機能での差別化が難しくなる中で顧客を開拓すると同時に、新たな収益源としてコンテンツ使用料やデータ通信料の収入が不可欠となっているためだ。

 ただ、スマホ向けコンテンツ配信ではアップルや米グーグルが先行し、顧客を囲い込んでいる。国内の携帯各社が先行勢に追いつくためには、高機能で割安感のあるサービス開発にどれだけ経営資源を投入できるかが鍵を握っているといえる。(中村智隆)