--日本に原発は必要か
「日本も英国も資源の乏しい島国。輸入品のLNGや原油だけに頼っていたら、自国の命運を他国に委ねることになる。エネルギー安全保障上、原発は必要だ。また、発電の効率性や温暖化ガス削減を現実的に考えたら、原発しかない」
--原発事故後、欧州では脱原発の機運が高まった
「独は脱原発のせいで、発電コストの高い化石燃料の消費量が増え、電力会社の資金繰りが悪化。ロシアからのLNG輸入、フランスからの電力購入も増え、エネルギー面で他国への依存度が高まっている。日本は同じ道をたどるべきではない」
--原発を引き続き利用していくにはどんな施策が必要か
「各国政府や原発産業と利害関係のない技術者や識者が集まる国際機関の創設を提唱している。中立性の高い国際機関が各地の原発建設計画の安全性や必要性を評価し、情報公開を進める。その上で各国民に理解してもらい、支持してもらえるように努めたい」
バーバラ・ジャッジ 米ペンシルベニア大、ニューヨーク大卒。米大手法律事務所で企業の金融取引を手がけ、1980年に米証券取引委員会委員。香港株式取引所顧問、英原子力公社(UKAEA)会長、ロンドン大エネルギー研究所所長などを経て、現在、UKAEA名誉会長。