経団連のシンクタンク、21世紀政策研究所(森田富治郎所長)が16日発表した2050年までの日本と世界50カ国・地域の長期経済予測によると、日本は人口減少の進行で、30年以降マイナス成長を続け、先進国から脱落する恐れがあることが分かった。
同研究所は、債務残高の削減などの課題に取り組み、アジアの成長を取り込むなどの効果的な成長戦略を講じるべきだと警鐘を鳴らしている。
予測では、日本は世界で最も速いペースで少子高齢化が進み、総人口が1億人を割り込む。65歳以上が約4割を占め、労働人口は約4400万人に減るとした。
貯蓄や投資も鈍化し、生産性が他の先進国並みを維持する「基本シナリオ」では30年代からマイナス成長に転じ、50年には現在世界3位のGDP(国内総生産)が4位に落ち、中国と米国の約6分の1の規模で、1人あたりのGDPも世界18位と韓国(14位)に抜かれる。
成長率が最も下振れする「悲観シナリオ」では、GDP規模は世界9位で中国、米国の約8分の1に縮小。経済大国から脱落して「極東の一小国」に逆戻りする可能性があるとしている。