複合機各社、国内販売体制再編 市場頭打ち…命綱はカラー機拡販 (2/2ページ)

2012.4.10 05:00

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 顧客の事業が広域化し、販社間での調整を簡素化するほか、苦手の中小企業向けを強化するのが狙い。統括会社は地域独自の販売戦略やサービスを担うため、「独立会社化により地域密着で活動し、責任を持たせる」(同社)方針だ。

 国内首位のリコーは、2月にカラー機14モデルを一新した。販売目標は月1万台で、カラー機首位のゼロックスの座を虎視眈々と狙う。同社はすでに国内販売網を段階的に再編し、販売子会社のリコージャパンに一本化しているが、今年に入り機器とITインフラの各営業部門を統合。「顧客に対して関連機器を丸ごと提供できる強みを生かす」としている。

 「今や複合機は事務機器ではなく社内ITインフラの一つ」とするのは、キヤノンの販売子会社「キヤノンマーケティングジャパン」。関連会社にITシステムの営業部隊を抱え、顧客先の総務部門だけでなく、システム管理部門にも食い込む。

 ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)によると、11年の複合機の国内出荷台数はモノクロ機が前年比10%減の約15万7800台で、カラー機は2.3%増の約36万2000台で、総需要は今後も横ばいが続くとみられる。

 現状はリコー、キヤノン、富士ゼロックスの上位3社でシェアの6割以上を占めるが、カラー機への置き換え需要は堅調で、下位メーカー食い込みの余地も十分にありそうだ。(日野稚子)