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ディープさが奏功? 人気が止まらない「大宮ガチャガチャ」その秘密

 さいたま市大宮区のさまざまなシンボルをモチーフにしたキーホルダーをカプセル玩具販売機「ガチャガチャ」で売る「大宮ガチャ」の人気が止まらない。知る人ぞ知る人気喫茶店などを取り上げた第1弾の売れ行きが好調だったことから、勢いに乗って第2弾を開発、今月6月に販売を開始した。関係者によると、第1弾、第2弾ともに「販売機への補充が追い付かない状況」という。

 大宮ガチャは大宮区の商業ビル「アルシェ大宮」を運営するアルシェと東京都のキャラクターグッズ製造会社、ジェットワークスが連携して開発した。価格は1回300円で、アルシェ大宮や百貨店「そごう大宮店」などで販売している。

 第1弾は老舗喫茶店「珈琲館伯爵邸」の看板や武蔵一宮氷川神社の鳥居、地元ラジオ局「FM NACK5」のロゴマークなどを表現した8種類がある。3月18日の発売直後から会員制交流サイト(SNS)などで話題になり、同19日までの2日間でなんと約1千個を売り上げた。その後も堅調な人気を保ち、さらに6千個超が売れた。

 第2弾は、JR大宮駅前のランドマークとして親しまれ、4年前に営業を終えたショッピングセンター「中央デパート」のロゴ、旧大宮市のキャラクター「こりすのトトちゃん」、LPガス製造・販売のサイサン(大宮区)のガスボンベなど8種類を用意した。すでにSNS上では「中央デパートを入れるとは渋い」「自分の街でもこんなガチャがほしい」と話題沸騰だ。

 人気の秘密は、有名な観光名所などを取り上げた多くの「ご当地ガチャ」とは異なり、マニアックなモチーフにこだわった点にあるようだ。アルシェの担当者は「地域のディープなところを攻めたのがよかったのかもしれない」と分析する。

 人気の高まりを受け、さいたま観光国際協会もPRの協力に乗り出し、SNSで「大宮ガチャ」に関する情報を積極的に発信している。担当者は「大宮が注目され、新型コロナウイルス禍が収束した後に訪れる人が増えてくれれば」と期待を込める。

 すでに第3弾の構想も進んでおり、アルシェなどは8月にも売り出したい考えだ。アルシェ関係者は「大宮はまだまだ掘り起こせるところがある。期待に応えて今後もガチャを展開し、大宮がさらに盛り上がってくれれば」と語った。(中村智隆)