トップは語る

SOMPOヘルスサポート、コーポレートウェルネスで複数1位狙う

 SOMPOヘルスサポート社長・平塚徹さんに聞く

 --新型コロナウイルス感染拡大で事業環境にどのような変化があったか

 「主要事業は、健康保険組合や公務員の共済組合が実施する特定保健指導、企業向けメンタルヘルス系サービスの提供、健保組合向け健康情報の提供だ。特に保健指導は、厚生労働省のルールでは原則対面式だったが、コロナ禍によりオンラインでも可能となるなど規制緩和された。多くの企業が業務をオンライン化したことで、職場で従業員のメンタルヘルスの不調をつかみづらくなった。こうした変化への対応が求められている」

 --変化にどのように対応しているか

 「従業員の業務の生産性を測定し、その数値の変化でメンタルヘルス不調の予兆をつかむツールを提供している。不調から復職する際は、従来は通勤を前提に再発防止や復職プランを考えたが、今は在宅勤務を考慮した復職支援サービスも提供できるよう対応している」

 --事業の強みは

 「メンタルヘルスの不調に対応できる専門家を抱えている企業は少ないため、ケア体制の整備自体が大変だ。一方、健康経営の観点から、企業にはメンタルヘルス面でしっかりしたサポート体制づくりが求められている。当社では臨床心理士や精神保健福祉士といった専門職を多く抱えており、そうした体制づくりやサービスを提供できる強みがある」

 --今後の目標は

 「企業向けヘルスケア事業は裾野が広い。従業員が健康的で長く働いてもらう取り組みが活発化すれば、今後もヘルスケア関連の市場は拡大するだろう。企業向けメンタルヘルス事業を含む、コーポレートウェルネス領域において業界1位の分野を複数獲得できるよう目指していきたい」

【プロフィル】平塚徹 ひらつか・とおる 東大文卒。1991年に安田火災海上保険(現損害保険ジャパン)入社。2016年SOMPOリスケアマネジメント(現SOMPOヘルスサポート)副社長執行役員ヘルスケア事業本部長などを経て、21年4月から現職。宮城県出身。