話題・その他

三井不動産、東京・日本橋に施設開設  社会人向け起業支援を充実

 三井不動産は27日、東京・日本橋に社会人向けの起業支援施設「スタートアップ・ワークスペース ジ・イースト日本橋富沢町」を1日付で開設したと発表した。日本橋付近から東隣の大手町周辺には数多くの大企業が立地。研究成果や新たなアイデアをもとにした新規事業が立ち上がっている。副業を認める企業も増える中、起業を考える社会人の受け皿とする。

 地下鉄人形町駅近くにある築50年の7階建てビル(延べ床面積約1700平方メートル)を全面的に改修。1階にはコワーキングスペース、2階には大小さまざまな会議室、3~6階は広さ15~150平方メートルの個室、7階は固定席契約のシェアスペース28席分を設けた。入居にあたっては事前の審査が必要。

 三井不動産ベンチャー共創事業部や起業支援のプロトスター(東京都中央区)の担当者が常駐し、資金調達や販路開拓など事業推進に関する相談に応じる。また1階にはオンライン配信対応の設備を整えたイベントスペースを設置し、自社の技術や製品、サービスを世界に発信できるようにした。

 三井不動産はこの施設の他、日本橋付近に3カ所の起業支援施設を設置。この施設よりも広い個室を設けており、会社の規模が大きくなっても近隣で事業を継続できる環境を整えた。

 同日、現地での記者発表会で、三井不動産ベンチャー共創事業部の田中伸幸グループ長は「東京東部のスタートアップ(創業初期のベンチャー企業)のエコシステム(生態系)を構築したい」と語った。

 三井不動産は本業となる不動産事業の活性化などを目的に、2014年から日本橋付近で起業支援施設を展開。製薬業界の本社が立地する土地柄から創薬系のベンチャー企業を中心に、最近はアクセルスペース(同区)などの宇宙ベンチャーも集まっている。