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プロ野球、無観客で政府に補償求める方針「統制下と非監視下一律納得できない」

 新型コロナウイルスの緊急事態宣言の発令中、対象地域内での無観客開催を決めたプロ野球の斉藤惇コミッショナーは24日、オンライン会見で「合理的な説明、経済的な補償がなければ簡単には受け入れられない」と強い口調で述べ、チケット払い戻しに伴う手数料などを政府や自治体に求める考えを示した。

 また、選手ら球団スタッフへの定期的なPCR検査や球場での感染防止策を実施した上で試合を開催していると強調し、「統制された下で施行されるプロ野球やJリーグと、非監視下で飲食をするグループを一律にするのは納得できない」と述べた。(【「何のために労力を費やしたのか」】スポーツ・音楽業界、観客認められず落胆)

 24日の臨時実行委員会では、一部球団から延期案も出た。斉藤コミッショナーは「(発令期間が)延びるかもしれない。現実的でない」と説明。不確定要素が多く、今後、雨天中止も予想されるため、143試合の消化を優先した。(【「年間シート購入したのに」】兵庫、プロ野球阪神に無観客開催求める ファン落胆)

 コロナ禍の中、球団経営は厳しい。昨季の収支が数十億円規模の赤字見通しと明かした球団もあった。ゴールデンウイーク期間中は集客を見込んで連戦が組まれており、無観客開催は痛手。ある球団幹部は「客を入れて興行が成り立つ。(経営は)大変だが(無観客で)やるしかない」と声を落とした。(神田さやか)