テレワークから元に戻れる? 当面継続多数、解除の企業も段階的
新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が全面解除されたことを受け、首都圏に本社を置く企業も事業活動の正常化に向けて動き始めた。解除に伴い、一部では段階的に出社人数を増やすといった対応をとる企業も出ている。ただ、宣言解除地域の従業員数が今回は段違いに多く、当面は現状のテレワークなどの在宅勤務を続ける企業も少なくない。
今月31日まで本社(東京都大田区)などの部分休業を発表していたキヤノンは、テレワーク拡充などの対応を予定通り月末まで継続する。1000人の全従業員を対象に在宅勤務を実施しているカドカワグループのドワンゴも当面は在宅勤務を続けるとしており、担当者は「現状でも業務に支障は生じていない」と強調する。日本製鉄は「特定警戒都道府県」に指定されていた8都道府県内の拠点について31日まで在宅勤務を続ける方針で、その後は「政府の方針を見極めてから決めたい」と様子見ムードだ。
一方、ホンダは「原則」としていた在宅勤務を26日以降、段階的に緩和する。担当者は「物理的な『3密』を避けるなど感染防止の決まりを守りつつ、出社可能な人数を段階的に上げていく」と説明。具体的には、在宅勤務を「推奨」と緩和しつつ、部門ごとに出社人数をコントロールしていくことになるという。
これを機に、ベンチャー企業の間では、在宅勤務を事実上無制限に続ける動きも出てきた。音声コンテンツ制作のオトバンク(東京都文京区)は約70人の全社員を対象にした在宅勤務を26日以降も継続。エネルギーベンチャーのエネチェンジ(同千代田区)は全従業員約100人を対象にした在宅勤務を継続すると同時に、オフィスの縮小も行い、年間5000万円の経費削減を目指すとしている。
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