AIがマスク着用判定、注意も 東大発ベンチャーがシステム開発

 
ライトブルーテクノロジーが開発した人工知能(AI)でマスク着用の有無を判定するシステム

 東大発の人工知能(AI)ベンチャー、ライトブルーテクノロジー(東京都文京区)は、マスク着用の有無をAIで判定し、未着用の人に注意を促すシステムを開発した。4月15日までソフトウエアを無料で提供する。不特定多数の人が集まるような施設での感染対策に役立ちそうだ。

 システムは、ソフトを取り込んだパソコンにビデオカメラを接続する。カメラが撮影した画像からマスクの着用の有無をAIで瞬時に見分ける。さまざまな色や形のマスクなど約3000枚の画像がデータベース化されており、マスク未着用の人がいる場合、着用を促す音声が流れる。

 このシステムを、ベンチャーキャピタル(VC)のディープコア(東京)は、自社で運営する24時間利用可能の起業家向け共同オフィスに導入。同社の広報担当者は「1日に50~70人が利用するため、マスク着用を徹底しないと安全な環境を保てない」として、マスクによる予防効果に期待する。

 ライトブルーテクノロジーの園田亜斗夢社長は「新型コロナウイルスの感染が止まらない中、培ってきた技術を生かして何かできないかと考えた」と話しており、手洗いの様子をカメラが撮影し、20秒以内で手洗いをやめた場合に音声で注意を促すシステムも開発したという。

 ライトブルーテクノロジーは、東京大大学院工学系研究科に在学中の園田社長が2018年1月に起業したベンチャー企業。AIとビデオカメラを組み合わせて、工場などの現場作業員の動きを可視化するシステムなどを開発している。