サービス

渋谷パルコ、22日にリニューアルオープン 渋谷公園通り一角が日本文化発信拠点に

 パルコは19日、旗艦店「渋谷パルコ」(東京都渋谷区)跡地と周辺一帯の再開発事業で完成した「渋谷PARCO(パルコ)」を報道陣に公開した。22日に開業する。ファッション専門店や飲食店に加え、ギャラリーや同時休業した演劇専門の「PARCO劇場」を含め193店が出店、未来志向の次世代型商業施設として、国内外の来場者ニーズに応える。

 東京の中の“渋谷系ブランド”発信地の1つ、公園通りに面した旧・渋谷パルコの2棟(パート1、パート3)と周辺ビルを含めた一角を、都市再生特別地区の認可を元に、平成28年8月から3年3カ月がかりで再開発した。完成した複合施設は地下3階、地上19階建てで、上層階はオフィス部分。渋谷パルコの商業施設部分は地下1階~地上9階と10階の一部で、延べ床面積は約4万2千平方メートルとなる。

 19日の内覧会でパルコの牧山浩三社長は「新しいパルコの第二章が始まると考えられるような、新生・渋谷パルコが誕生したと自負している」とし、「渋谷に来たら(渋谷)パルコまで行かないといけないと想起させるような(ファッション・文化の)メディアセンター化できる」と抱負を述べた。

 新生・渋谷パルコは、世界に向けての発信機能を有しつつ、訪日外国人旅行客(インバウンド)来館比率3割を目指し、次世代の商業施設のあり方を提案する機能も併せ持つ。今の東京のファッションやカルチャーを感じられるようにしており、ブランド初の直営店が34店、商業施設初出店が86店にのぼる。

 代表的なのは「サイバースペース・シブヤ」と命名した6階だ。任天堂の国内初の直営店「Nintendo TOKYO(ニンテンドートウキョウ)」ではゲーム機器やソフトを試せる。「刀剣女子」という言葉を生み出したオンラインゲーム「刀剣乱舞」の初の公式ショップなど、ジャパン・カルチャーの代表格、ゲーム関連のキャラクターショップが並んでいる。

 ファッションでは、国内外のモード系や先端ブランドを導入したほか、ブランド育成を主眼にした自主編集型売り場2カ所を渋谷パルコとして初めて設置。出店者のオンライン販売を通じて商品を購入する、新たなスタイルを提案する売り場も設けた。

 文化発信や体験型施設もそろえる。4階の「PARCO MUSEUM TOKYO(パルコミュージアムトーキョー)」はアートやデザインなどを主眼としたギャラリーだ。「ほぼ日刊イトイ新聞」はイベントスペースなどを運営する。パルコ劇場は閉館前の約4割増となる636席に拡充、来年1月に営業を開始する。

 飲食店街は地下1階(21店)と7階(7店)の2カ所に分かれており、回転寿司や串カツ、ラーメンや天ぷらなどの専門店やビーガン料理店なども揃う。

 建物の外側には螺旋状に回廊を設置し、渋谷の街を四方で見渡せる。10階の屋上には約1400平方メートルの広場があり、植栽から四季の移ろいを感じられそうだ。