【遊技産業の視点 Weekly View】

 

 □ぱちんこジャーナリスト、LOGOSインテリジェンスパートナー・POKKA吉田

 ■「高射幸性遊技機」今年末に撤去の波

 前回寄稿時、経過措置について触れた。昨年2月から施行された改正風営法施行規則の影響で、その前の規則下の遊技機については、検定・認定の有効期間内までに撤去しなければならない。あと1年半ほどで300万台規模の遊技機の撤去となる。もう少しこの話を開いてみる。

 多くのホール営業者にとって、経過措置による撤去の大きな波は今年の年末となる。ぱちんこ業界が「高射幸性遊技機」とカテゴリして削減目標を設定するなどしていたパチスロの4機種ほどが、年末年始までに認定が切れてしまうのだ。その数は概算で15万台ほど。これらの撤去はホール営業者にとってはかなり痛いものとなる。

 検定が3年間、検定有効期間終了を起点として認定が3年間。約6年間ホールに設置されていた15万台は、当たり前だが超人気機種だ。それが撤去となるのだから代替機も相当の人気機種となることが求められる。が、認定切れまで使い続けるほどの人気機種はレギュレーションを問わず年に数機種出てくればよい方だ。

 また、「適宜の措置」と呼ばれた警察庁の取締猶予方針がある。これは検定や認定のない旧規則機について、射幸性の低いものについてはすぐに取り締まらないのでしばらく設置していいというもの。この猶予期限も今年の年末となった。このことから、最大で30万台規模の撤去となるのが年末年始までの撤去となる。

 適宜の措置終了による撤去も同じで、長く使い続けていた機種の撤去なので同じように超人気機種である。代替機も人気があることが求められるが、なかなか出てくるものではない。

 こういう規則改正の遊技機市場の大幅な新陳代謝は、しばしば遊技機メーカーのシェアを大きく変化させる。このタイミングでぱちんこもパチスロも人気機種を出すことができたメーカーは一気にトップメーカーに踊りでるのだ。

 最終的には300万台規模の1年半後の撤去、直近では30万台規模の撤去でどのメーカーがトップになるか注目である。

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【プロフィル】POKKA吉田

 ぽっか・よしだ 本名・岡崎徹。1971年生まれ。神戸大学経済学部中退。著書に『パチンコが本当になくなる日』(扶桑社新書)など。2016年2月より本名の岡崎徹としてぱちんこ業界紙「シークエンス」発行人編集長。