【G20】日米首脳会談 対北方針で完全一致 同盟の重要性共有
安倍晋三首相は28日午前、20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に合わせて来日したトランプ米大統領と大阪市内で会談した。トランプ氏が来日前に日米安全保障条約への不満を表明したのを念頭に、両首脳は日米同盟の重要性を改めて共有した。北朝鮮政策では、非核化をめぐる米朝協議や日本人拉致問題の解決など両国の対北方針が完全に一致していることを確認した。トランプ氏が早期妥結を目指す貿易交渉に関しては、議論を加速させる方針で一致した。
会談冒頭、安倍首相は「頻繁な日米首脳の往来は強固な日米同盟の証しだ。トランプ氏の令和初の国賓訪問は歴史的な出来事だった。改めて感謝する」と述べた。トランプ氏は「日本にまたすぐ戻ったが、本当に素晴らしい訪問だった。今日は貿易、軍事、防衛装備品の購入について協議したい」と応じた。
両首脳の会談は12回目。4月の安倍首相訪米、5月のトランプ氏の令和初の国賓来日に続く3カ月連続の首脳間の相互訪問で、強固な日米同盟を世界にアピールした格好となった。
安倍首相は会談で、北朝鮮による拉致被害者の有本恵子さん(59)=拉致当時(23)=の父、明弘さん(90)宛てにトランプ氏から解決への尽力を誓う直筆の手紙が届いたことに謝意を伝えた。トランプ氏は日朝首脳会談の実現を目指す安倍首相の方針を全面的に支持すると明言した。
イラン情勢については、安倍首相はイラン訪問の詳細を説明し、外交努力による中東地域の緊張緩和の重要性を提起した。
安倍首相はトランプ氏との会談後、インドのモディ首相も加え、日米印首脳会談を実施。これに続き、首相は28日午前に大阪入りしたドイツのメルケル首相とも会談した。
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