【トップは語る】ディーカレット、デジタル通貨による決済拡大を支援

 

 □ディーカレット社長・時田一広さんに聞く

 --ディーカレットは16日から仮想通貨の現物取引サービスを開始する

 「銀行やコンビニなどから入金して円建て、ビットコイン建てで仮想通貨の交換を手掛ける。仮想通貨の保管、送付や受け取りができる。6月ごろには仮想通貨を何らかの電子マネーにチャージできるようにする予定」

 --企業としての利益はどこから得るのか

 「スプレッド(通貨を交換する際の費用)だ」

 --仮想通貨には価格の乱高下や流出などネガティブなイメージもある

 「仮想通貨を含むデジタル通貨を安全に利用できるプラットフォームができれば意義がある。デジタル通貨で決済ができる世界の拡大をお手伝いしていく」

 --現在は決済手段として使える場面が少ない

 「例えば『Suica(スイカ)』のような電子マネーを使っている人は多い。他にも流通系などさまざまな電子マネーが日本には存在する。現金でそれらにチャージしているが、ディーカレットのアプリを起点にデジタル通貨でチャージできれば便利だ」

 --株主にはJR東日本も名を連ねる。スイカへのチャージの可能性は

 「利用者が多く、最重要で取り組む候補の一つだ。ただ、どの電子マネーブランドになるかは未定だ」

 --サービスのターゲットは誰か

 「現在、デジタル通貨で資産を持っている人。この方々に投資した通貨が安全・便利に使えるという体験をしてもらいたい。『仮想通貨は投資だけではない』と、そうした方がインフルエンサーになって広めてほしい」

 --デジタル通貨の普及で生活はどう変わるか

 「ネット空間での決済手段が増える。今後、円で持つよりもメリットがあるという時代が来る」

【プロフィル】時田一広

 ときた・かずひろ 1995年、インターネットイニシアティブ入社。常務執行役員、専務執行役員などを経て2017年12月よりデジタル通貨事業準備室長として同事業の立ち上げに取り組む。18年1月から現職。