大量データを瞬時にやり取り 「5G」どんな技術? Q&A形式で

 
NTTドコモは、地方の診療所でも総合病院の専門医のサポートが受けられる遠隔医療を実証している(同社提供)

 第5世代(5G)移動通信システムはどのような技術か、Q&Aでまとめた。

 Q どんな技術か

 A 大量のデータを瞬時にやり取りできる第5世代の通信規格だ。通信規格は約10年ごとに世代交代しており、第1世代の1Gは1980年代にアナログの音声通話のみだったが、90年代の2Gはメールなどのデータ通信、2000年代の3Gでは音楽やゲームなど高速データ通信、現在の4Gはスマートフォン用の大容量高速通信が可能になった。5Gで進化がさらに加速すると期待される。

 Q 4Gとの違いは

 A 約100倍の高速通信が可能だ。1平方キロ当たり100万台の端末を同時に接続でき、通信の遅延もわずか1000分の1秒程度と極めて小さい。身の回りのモノが無線でネットワークにつながるモノのインターネット(IoT)化が進みそうだ。

 Q 誰がどう定めるのか

 A 各国の標準化団体が1998年に設立した「3GPP」という標準化プロジェクトが技術仕様を策定し、参加する標準化団体が各国・地域の標準規格として制定。3Gで国際規格が作られ、1つの携帯電話を世界中で使えるようになった。

 Q 経済への影響は

 A 調査会社の富士キメラ総研は5Gに関連した2023年の世界市場が5Gに対応した基地局で4兆1880億円、端末機器類で26兆1400億円に成長すると予想。英調査会社のIHSマークイットは、5Gの経済効果が35年までに最大で12兆3000億ドルに上ると試算する。