ボーイング機認可を調査へ 議会公聴会、運輸省が表明 ボ社はソフト修正発表
【ワシントン=塩原永久】米ボーイングの新型旅客機の墜落事故をめぐり、米上院の航空宇宙小委員会が27日、公聴会を開き、航空業界の監督機関である連邦航空局(FAA)の幹部らが証言した。議員からは、新型機を認可したFAAの審査体制を疑問視する声が噴出。FAAを傘下に置く運輸省のスコベル監察官は、新型機の安全審査が適切だったかの調査に乗り出す方針を示した。
一方、ボーイングは同日、墜落事故を起こした737MAXについて、失速防止装置のソフトウエアを修正すると発表した。同装置が操縦士の意図に反して作動し、墜落を誘発した可能性が指摘されており、誤作動を防ぐソフトの改善をほどこす。新型機向けの操縦士の訓練も強化する。
上院公聴会では、同小委員会のクルーズ委員長が、2件の墜落事故が続発したことで「(新型機を)認可したFAAの審査体制に疑念が生じている」と指摘。認可に向けた審査をメーカーが肩代わりするFAAの制度を検証する必要性があるとの認識を示した。
これを受け、スコベル監察官は、737MAXのFAAによる認可過程を調査すると表明した。失速防止装置を認可した経緯も調べるという。FAAも審査体制の改善策を7月までにまとめる方針だ。
ただ、FAAのエルウェル長官代行は、「米国とカナダでは失速防止装置の誤作動はひとつも報告されていない」と述べ、737MAXの安全性を擁護した。
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