関空で災害訓練、台風21号を教訓に

 
関西国際空港で行われた地震を想定した避難訓練=5日午後(彦野公太朗撮影)

 昨年9月の台風21号の被害で浸水した関西国際空港で5日、南海トラフ巨大地震を想定した災害避難訓練が行われた。地元自治体や航空、鉄道会社など約30機関が参加。非常時に設置する「総合対策本部」での連携手順を確認したほか、空港職員ら約200人が避難誘導などの訓練をした。

 台風21号の際には、関空と陸地を結ぶ連絡橋が破損し、多くの利用客が関空島内に孤立して、混乱が広がった。こうした教訓をもとに、空港運営会社の関西エアポートは、災害対応を見直してきた。

 今回の訓練は、関空で最大震度6強の揺れがあり、地震発生から約1時間20分後に高さ2・6メートルの津波が到達すると想定した。外国人旅行客向けに多言語拡声器を使って英語、中国語などで避難を指示。負傷者や高齢者などに分けて、関空島外に出るバスに乗せる優先順位を決める手順を確認した。

 総合対策本部は、大規模災害の際に関空内に置かれる組織で、関係機関から担当者が参集。関西エアの山谷佳之社長は「ここで情報を共有し、空港が一体となって、取るべき選択を協議していきたい」と話した。