「0円マイカー」も DeNAとSOMPOHDカーシェア新会社

 
カーシェアリング事業の会社設立を発表し、握手するDeNAの南場智子会長(中央左)と損保ジャパン日本興亜の西沢敬二社長=28日、東京都内

 IT大手のディー・エヌ・エー(DeNA)と損害保険大手のSOMPOホールディングス(HD)は28日、個人間で自動車を貸し借りするカーシェアリング事業を営む新会社を設立すると発表した。損保が持つ保険代理店の販売網を活用し、無料で車を利用できる新サービスも加えて、DeNAが展開するカーシェア事業を拡大させる。

 新会社はDeNAが51%、SOMPOHDが49%を出資し、4月に事業を始める。DeNAはスマートフォンのアプリで車を貸したい人と借りたい人を仲介するサービス「Anyca(エニカ)」を平成27年9月から展開。現在のエニカの会員登録者数は20万人以上、登録車数は7千台以上あり、新会社ではSOMPOHDが持つ全国約5万店の保険代理店を活用して事業を拡大する。

 新サービスとして、新会社が保有するレンタカーを会員が自身の駐車場などで管理する代わりに、一定回数を無料で使える「0円マイカー」を始める。既に車を所有している場合には、他の会員に貸し出すことを条件に定額料金を支給する仕組みも用意する。貸した車の盗難や事故などカーシェアのリスクに特化した保険商品も提供する予定だ。

 また、DeNAとSOMPOHDは、マイカーリース事業でも新会社を設立する。リースした車をエニカでカーシェアとして利用した場合、リース料負担額を軽減するサービスを6月から開始する。

 例えば、都内でトヨタのアルファードを7年リースした場合の月額リース料は約5万8千円だが、個人間で月4回カーシェアとして貸し出せば約3万9千円を受け取ることができ、実質リース負担料は約1万9千円に抑えられるという。将来的に月間1千台規模の販売を計画している。

 DeNAの南場智子会長は東京都内で記者会見し、「車のライフスタイルを変えていく上で最大のボトルネックは不安」と指摘。「その不安を取り除くことが、大きく世の中を変える上で重要になる」と述べ、多様な保険事業を展開するSOMPOHDと提携した理由を強調した。