シーテック、IoTやAIで先端技術を提案

 
ライオンのブースでは、スマホで舌を撮影すると、AIにより口臭リスクが可視化されるサービスが公開された=15日午後、千葉市美浜区の幕張メッセ(宮崎瑞穂撮影)
ライオンのブースでは、スマホで舌を撮影すると、AIにより口臭リスクが可視化されるサービスが公開された=15日午後、千葉市美浜区の幕張メッセ(宮崎瑞穂撮影)

 15日に報道陣に先行公開された「CEATEC(シーテック)ジャパン2018」の会場では、レジが無人化された「7年後のコンビニエンスストア」や自動運転に活用できる人工知能(AI)を使った画像処理技術などが紹介された。各社は人口減少などの潮流を踏まえ、実用化を急いでいる。

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 家電とITの展示会「CEATECジャパン2018」が16日、千葉市美浜区の幕張メッセで開幕する。

 今年の大きな特徴は「モノのインターネット(IoT)」をテーマにした展示エリアが、昨年と比べて広さを2倍に拡大したことだ。

 ローソンが提案した新型店舗の目玉は「ウォークスルー決済」だ。利用客が商品を手にしたままゲートをくぐるだけで支払いが済むシステムで、レジでの現金の受け渡しが不要になる。商品一つ一つに取り付けた電子タグ「RFID」の情報をゲート側のセンサーで読み取る仕組みだ。

 また、ローソンは店員の代わりに映像の店員「バーチャルクルー」も公開。搭載されたAIが、利用客の購入履歴からお勧めの商品を提示するという。

 一方、ローソンと同じく初出展のライオンも異業種らしく、口臭予防への先端技術の活用を提案した。口の中をスマートフォンで撮影して舌の色を分析し、口臭レベルを3段階に区分する技術を披露した。飲食店など接客業向けに売り込みたい考えで、担当者は「状態に応じた口臭ケア方法も提案していきたい」という。

 電機大手の三菱電機は、自動車のバックミラーでは明確に識別できない100メートル後方の車両をカメラで認識する技術を展示。自動運転技術への活用を目指している。

 日立製作所は観光地に設置した複数のカメラで通行人を撮影し、AIを使って服装や髪形から個人を識別。人の流れを可視化することで、バスや道路などを造った場合に観光客の動きがどのように変わるかなどを分析するシステムを開発中だ。

 携帯電話大手KDDI(au)はドローン(小型無人機)などで撮影した映像を円形のスクリーンに映し出し、ゴーグルなしでも仮想現実(VR)を体験できる技術を披露した。

 トヨタ自動車は、LINE(ライン)のAI「クローバ」の対話型スピーカーの機能を、車内で活用できるサービスを披露した。トヨタの担当者は「交通事故ゼロを目指せる」と強調した。