あの大ヒット電球の業者が寿命尽きた? 新商品も尻すぼみ、債務遅延も

 
「マジックバルブパッと!」

 新聞やテレビ等で紹介され話題になったLED電球「マジックバルブパッと!」の販売元であるラブロス(東京都)と連絡が取れない状態が続いている。取引先の一部に対する債務の支払いが遅延しているとの話も聞かれる。(東京商工リサーチ特別レポート)

 ラブロスの取引先の一社は東京商工リサーチ(TSR)の取材に対し、詳細はわからないとした上で「今年に入り事業を停止している。社長は別会社を設立し、事業を始めているようだ」と話す。

 ラブロスの金山和男社長は、かつて東京・秋葉原を拠点にパソコン、パーツショップ「T・ZONE」を全国展開していた亜土電子工業(現・MAGねっとホールディングス、東京都)の創業者。金山社長はT・ZONEを国内に約30カ所、海外に10カ所ほどを展開したが、業績不振から1999年に社長を辞任している。

 その後、2000年にラブロスを設立すると停電時に自動点灯するLED電球「マジックバルブ」を開発。これが2011年の東日本大震災で災害時に役立つと評判になり、マスコミ取材が殺到した。新聞や雑誌、テレビなどで取り上げられ、2012年3月期の売上高は約5億4100万円に拡大していた。

 ところが、その後も新商品を次々に発表するも尻すぼみで、近年は赤字が散見される厳しい経営から抜け出せずにいた。

 取引先によるとマジックバルブに続く商品として期待された直管LED「マジックチューブ」は、相当数の余剰在庫を抱えていたという。このため2016年にニュー秋葉原センター内の直営店を閉鎖し、インターネット通販で営業を続けていた。

 9月26日、ラブロス本社を訪問したが、すでに別のテナントが入居していた。関係筋によると今年3月頃に事務所を撤退したという。TSRは金山社長に取材を申し込んでいるが、10月3日までに連絡はなかった。

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