住宅メーカーのリブワーク、全国進出へ 自社HP・ドミナント戦略で躍進

 
リブワークが施工した住宅の内観

 熊本県に本拠を置く住宅メーカー、リブワークが快進撃を続けている。IT(情報技術)の積極活用や価格戦略、顧客に対する暮らし提案などを含めた独特な事業戦略が奏功し、2015年に福岡証券取引所Qボード市場に株式を上場。業績は急伸を続け、18年6月期の売上高は前期比35.5%増の51億円、最終利益も同63.3%増の2億4000万円に拡大する見通し。今後はエリアの拡大を模索し、九州全域、さらには日本全国に進出していく考えだ。

 好調を支える要因はいくつもあるが、特徴的なのは自社ホームページによる集客。多くの企業が自社のホームページを開設しているが、同社のようにいくつもの関連した専門サイトを展開し、顧客に対し総合的にアプローチしている企業は珍しい。

 「土地探し」や「断熱材比較」「地盤チェック」「ローコスト」のほか、「平屋ナビ」というサイトも用意。これらを通じた新規顧客の開拓数は、一般的な総合住宅展示場集客数の5倍以上に当たる月193組(18年4月実績)に上る。

 さらに顧客に物件を引き渡した後も、その顧客の周辺地域で販売・施工を繰り返すことでエリアで認知度を向上し、売り上げを拡大する“郊外型ドミナント戦略”が業績向上に拍車をかけている。

 コンピューターグラフィックス(CG)とともにバーチャルリアリティー(VR)システムを使った、全ての顧客に対する提案も実施。大幅なコスト削減を実現しつつ、顧客の満足を追求する。

 こうした取り組みもあり、16年には経済産業省の顕彰制度「攻めのIT経営中小企業百選」を熊本県下の企業として、初めて受賞した。

 一方、「新卒の女性を積極的に採用している。既に社員の50%は女性で、センスの良い住宅のデザインに女性の視点や意見が反映されているから」と話すのは瀬口力社長兼最高経営責任者(CEO)。先代の急逝に伴い学生の身で実家の工務店を継いだ。それから25年。熊本県を代表する住宅メーカーへ発展させた。

 主婦目線での動線提案、女性目線での暮らしの提案も同社の強み。こうした高い女性社員の構成比と活躍ぶりなどが評価され、14年には経産省の「ダイバーシティ経営企業100選」にも選ばれた。

 今後は、住宅メーカーの枠を越え“生活創造事業”を目指していく。女性の活躍は、その強力な“ドライバー”でもある。

 瀬口社長は「3年以内に東京証券取引所1部上場を目指したい」と夢を膨らませている。

【会社概要】リブワーク

 ▽本社=熊本県山鹿市鍋田178-1

 ▽設立=1997年8月

 ▽資本金=2億5690万円

 ▽従業員=112人 (2017年6月末時点)

 ▽売上高=37億6500万円 (同6月期)

 ▽事業概要=住まいの総合コンサルティング、住宅・事務所・アパート・店舗の企画・設計・施工・販売・アフターサービス全般