みずほシステム移行、トラブルで不安視も 14日から2回目開始、社内で緊張感
みずほフィナンシャルグループ(FG)は、14日から傘下銀行の入出金や口座管理などを担う勘定系システムを次期型に移す2回目の作業を始める。6月の初回の作業は混乱なく完了したが、その直後にみずほ証券でシステム障害が発生したため、次期システムへの移行を不安視する声もある。
「万全の備えをしてきたが、みずほ証券の件で緊張感が高まっている」
みずほFG幹部は11日、次の移行作業を間近に控えた社内の雰囲気をこう語った。
みずほにとってシステムは鬼門だ。みずほ銀行では2002年と11年に大規模なシステム障害が発生。いずれも金融庁の処分を受け、11年は当時の頭取の引責辞任に発展した。再度の障害は致命傷になるだけに、移行に際しては50回以上の模擬訓練や作業当日の数百人単位の応援待機など入念な準備を進めてきた。
しかし、その最中にみずほ証券でシステム障害が起こり、インターネット取引を6月26日から2日半停止した。銀行と証券のシステムはまったく別物で、銀行システムの移行作業に影響はないが、「世の中の人に『みずほは大丈夫か』と不安を抱かせてしまった」とみずほFG幹部は悔やむ。
信頼回復に向け、証券のシステムで障害の原因となった人為的なミスには既に対策を講じ、現在は運営管理体制の強化など再発防止策を詰めている段階だ。
一方、銀行のシステム移行では仮に作業中に不具合が見つかれば、現行システムにデータを戻し障害を避ける厳戒態勢を敷く。みずほFG幹部は「やるべきことは全てやった。今まで通りのプロセスで気を引き締めてあたる」と強調する。
傘下銀行で併存した3つのシステムを一本化する作業は膨大なデータ量を勘案し、9回に分けて1年間かけて段階的に移す。
週末に行う作業の際はATM(現金自動預払機)などの利用を休止する。9月は6店舗が対象だが、10月以降は100店舗前後が対象となる山場を迎える。
関連記事