ピーチ、設立以来初の減益 30年3月期、人件費増加で

 
万博の大阪誘致のロゴマークがデザインされた、ピーチ・アビエーションの特別機=9日午前、関西空港

 格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションが27日発表した平成30年3月期決算(単体)は、最終利益が前期比24.6%減の37億円と、23年2月の会社設立以来初めての減益となった。将来的な事業拡大のための先行投資として、パイロットや整備士を積極的に採用したことで人件費が増加したことが、主な要因だった。

 減益について、岡村淳也執行役員は「コントロールできる範囲内であり、決算内容には満足している」と計画的な投資であることを強調した。

 一方、売上高は5.9%増の547億円となり、過去最高を更新した。訪日客の利用が引き続き好調で、設立以来初めて国際線の旅客収入が国内線を上回った。

 ピーチは、同じくANAホールディングス傘下のLCC、バニラ・エアと31年度中に統合し、2020(平成32)年以降に国内線・国際線合わせて50路線以上に拡充することを目標としている。井上慎一最高経営責任者(CEO)は「これまで以上に独自性を発揮し、アジアのLCCを引っ張っていく」とのコメントを出した。