東芝、4年ぶり最終黒字 3月期8040億円 債務超過も解消、車谷CEO「変革元年に」
経営再建中の東芝が?日発表した2018年3月期連結決算は、最終損益が8040億円の黒字と4年ぶりに黒字に転換した。半導体子会社の東芝メモリがけん引し、前期の9656億円の赤字から回復した。利益の額は11年3月期の1583億円を上回り、7年ぶりに過去最高を更新した。
最大の課題だった債務超過の解消は、17年12月に実施した第三者割当増資などで18年3月末に実現した。不正会計問題に端を発した危機的な財務状況を脱したとして、収益力の強化に向けた5年間の改革計画を年内に策定し、成長軌道への回帰を目指す。
18年3月期は、傘下にあった米原発大手ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)関連の債権の売却益や税負担軽減効果など一時的な要因も利益を押し上げた。
19年3月期は最終利益が前期比33・1%増の1兆700億円になると見込む。売却手続き中の東芝メモリは中国での独禁法審査が難航しているが、東芝は売却方針に変わりはないとして売却益を織り込んだ。
改革計画はコスト削減を主眼に置いており、総務などの間接部門やグループ会社も含め聖域を設けず見直す方針だ。
東芝の車谷暢昭代表執行役会長兼最高経営責任者(CEO)は記者会見で、策定中の中期経営計画に関連して「収益力を強化し、成長事業の育成に取り組む。2018年度を変革元年にする」と述べた。
車谷氏は中国当局による独禁法審査が遅れている半導体子会社「東芝メモリ」の売却について、「売却方針を維持する考えで、審査結果を待つ状況に変わりはない」と述べた。
東芝は昨年12月に実施した第三者割当増資の効果などで18年3月末の株主資本が7831億円のプラスとなり、債務超過を解消した。綱川智社長は「ご心配をおかけしてきたが、危機的な財務状況は解消することができた」と述べた。
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