【次官セクハラ問題、テレ朝会見詳報(2)】篠塚報道局長「週刊現代の記事、事実無根」

 
定例会見でセクハラ問題について言及したテレビ朝日の角南源五社長(右)と篠塚浩報道局長=24日、東京・六本木(宮越大輔撮影)

 「もみ消し、隠蔽の意図は全くなかった」

 《財務省の福田淳一前事務次官のセクハラ問題に絡み、テレビ朝日の角南源五社長に続き、同局の篠塚浩報道局長が発言した》

 篠塚局長「2点ほど私から追加させていただく。昨日発売の週刊現代の記事に、先日当社の開いた記者会見の内容について、事前に総理官邸とすりあわせをしていたというような記述があったが、全くの事実無根であり週刊現代の編集長宛に書面で強く抗議した。抗議文の内容は当社のホームページに掲載している。

 この間の一部報道の中で当該社員の上司がセクハラを隠蔽したとか、もみ消したとかいう記述もあるが、これも事実ではない。上司によれば、今のメディア状況の中で自分の経験からしても現実的に報道は難しい、声を挙げることで、ダメージを被りかねない。放送できたとしても二次被害があると当該社員に説明した。もみ消しとか隠蔽の意図は全くなかった。

 当社として適切な対応ができなかったと申しているのは、報道局として情報を共有できず、組織としての判断ができなかったことを指していて、当該上司が上に上げなかったことは深く反省している。また、情報共有がスムーズにできなかった体制にある一番の責任は組織の長である私にあり、速やかに改善を図りたい」

 「上司が今のメディア状況の中で難しいと説明」

 《ここから記者との質疑に移った》

 --取材によると、この女性記者が単純に労組等を経由して抗議することよりも報道してほしいということを求められていたと聞いているが

 篠塚局長「抗議ということは念頭になかった。認識にはなかった」

 --いくつかの事情を踏まえ、難しいと判断したというが、自社で取材先から録った音源を基に告発的報道をすることが難しいとか、大きな政治問題になる、もしくは記者が異動させられるなどの懸念があったのか

 篠塚局長「上司が今のメディア状況の中で、自分の経験からしても現実的に難しい、ダメージを被りかねない、二次被害がある、と当該社員に説明した」

 --本日、福田次官の辞任が正式に決まった。このタイミングで正式に辞任が決まったことについて女性社員から何か話は。社長からも見解を

 角南社長「社員は福田氏がハラスメントの事実を認めていないまま辞意を表明したことについては残念に思っている。また、財務省に対しては今後も調査を続けて事実を明らかにすることを望んでいる」

 《ここで広報担当者が補足する》

 広報担当「今、辞意を表明ということがありましたが、正式に閣議で辞任したと訂正させてほしい」

 《次に篠塚局長も補足する》

 篠塚局長「基本的には前回の会見時に申し上げたコメントと変わらない」

 --社長自身の見解を

 角南社長「事実関係をきちんとした調査をしていただきたいという依頼を財務省にした。辞任についてお話することはない」

「2回目以降に録音開始した」

 《セクハラのあった時期や録音を始めた時期についての質問に篠塚局長が答えた》

 篠塚局長「ちょうど1年半前の一昨年の年末あたりに集中している。2回目以降に録音開始した。数カ月のスパンだ」

 《今後の取り組みについて角南社長が説明した》

 角南社長「社内に相談窓口はあるが、問題点がなかったか速やかに検証する。また、社内で特別チームを組んでこの問題への対応や今後のコンプライアンス態勢の見直しに取り組む」

 --上司が上に(報告を)あげなかったのはまずかったというが、現時点で上がっていたらこの事案は報道すべきだったと考えるか

 角南社長「速やかに調査を行って、その上で厳重に抗議を行ったと思う」

 --現状、自社で音声を踏まえて報道できるかということだが

 角南社長「速やかに調査を行った上で厳重に抗議を行い、その上で総合的に判断する」

 --報道もあり得るということか

 角南社長「総合的に判断する」

■詳報(3完)報道できない理由を問われた報道局長の返答は に続く

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