【次官セクハラ問題、テレ朝会見詳報(1)】角南社長「1年半ほど前から」「身を守るため録音」
《財務省の福田淳一前事務次官のセクハラ問題に絡み、テレビ朝日の角南源五社長が24日午後、東京都港区の本社で定例会見に臨み、同問題への受け止めについて説明した》
角南社長「財務省の福田事務次官によるセクハラ問題については先日の記者会見で取締役報道局長がそのあらましをご説明したが、その後、当社の調査によって新たに判明した点もあるので、現時点での全体的状況をお話しする。
「1年ほど前から夜の会合避けていた」
先日の記者会見の通り、女性社員が福田次官によるセクハラの被害を受けていたことが判明した。この社員は取材目的で1年半ほど前から1年ほど前にかけて数回、福田次官と一対一の夜の会食をした。会食のたびにセクハラ発言があったため、この社員は身を守るため会話を録音したこともあった。そしてセクハラ被害に遭わないよう上司と相談の上、1年ほど前から福田次官との一対一の夜の会合は避けていた。
しかし、今月4日、NHKが夜7時のニュースで森友問題での財務省の口裏合わせについて独自のニュースを報じ、女性社員はデスクからの指示もあり、その裏付け取材をすることになった。そのときに福田次官から電話があったため、裏付け取材をしようと考え、夜9時ごろから夜10時前まで約1年ぶりに夜の食事を伴う一対一の取材に臨んだ。
「適切に対応できず深く反省」
ところが、このときもセクハラ発言が多数あったため、社員は自らの身を守るため途中から録音した。後日、この社員はセクハラの事実をテレビ朝日で報じるべきではないかと上司に相談した。上司にはセクハラの事実を隠蔽しようという考えはなく、幾つかの理由で報道は難しいと判断した。この社員はセクハラ被害を黙認される恐れがあるとして週刊新潮に連絡し、取材を受けた。社員からセクハラ情報があったにもかかわらず、社内で適切な対応ができなかったことについては深く反省している。
「録音は理解するが情報提供は遺憾」
当社としてはこの社員がこうした事情から福田次官との会話を録音したことは身を守るためのものであって、不適切だったとは考えていない。女性社員は公益目的からセクハラ被害を訴えたものであり、当社としてもその考え、心情には理解できるものと認識している。一方で当社の取材活動で得た情報と録音が第三者に手渡される結果となったことについては遺憾に思う。
当社はこのセクハラ問題について今月19日付で財務省に対して抗議文を提出した。これに対し財務省側から20日付で抗議はしっかり受け止め、当社の納得のいく形で話を伺いたい旨の文書を受け取った。また、当日財務省から委託受けたとする弁護士事務所から調査への協力依頼を受けた。しかし、本件では福田事務次官が現在もセクハラの事実を認められておらず、当社としては、厳正かつ中立公正な調査が必要と考える。弁護士事務所からの調査依頼は財務省と弁護士事務所の関係性を含め内容が判然としない点があり、当社は本日午前、質問状を弁護士事務所に送った。また質問状を弁護士事務所に送ったことを先ほど財務省に伝えた」
■詳報(2)篠塚報道局長「週刊現代の記事、事実無根」 に続く
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