日産、ルノー株の追加取得検討か 「報道は臆測」会社側と仏政府否定

 

 ロイター通信は7日、日産自動車とフランスのルノーが、フランス政府が保有する、約15%のルノー株の大半を買い取ることを検討していると報じた。複数の関係者の話としている。資本関係の強化に加え、ルノーの筆頭株主である政府の経営関与を回避する狙いもある。

 これに対し、日産は8日、「3社連合は新たな相乗効果の追求と機能統合を進めているが、各社の株式の持ち合い比率を変更する計画はない。株式の買い取りに関する報道は全くの臆測だ」とのコメントを出した。

 フランス財務省は7日、ルノー株売却の考えはないと強調。国内の雇用や投資に一定の影響力を維持したい考えとみられる。

 ルノーは日産株を43.4%持つ一方、日産はルノー株を15%保有するが、議決権がない。日産は三菱自動車を傘下に収め、3社連合を組んでいる。ロイターによると、日産のゴーン会長は3社の生産や開発などの統合推進に向け、統括組織をオランダ・アムステルダムに設ける構想を提案しているという。

 ゴーン氏は1日、日本、フランスの両政府の合意を条件に、3社の資本関係の見直しを示唆した。ただ日産によるルノーへの出資比率が25%以上になると、ルノーが日産の議決権を全て失うことになる。日産のルノー株買い増しのハードルは高い。(フランクフルト 共同)