【家電Watch】パナ、MTB型の電動アシスト自転車が人気 街中でアウトドア仕様の走り

 
パナソニックの電動アシスト自転車「XM1」

 2017年9月にパナソニックが発売したマウンテンバイク型電動アシスト自転車「XM1」は、初年度販売目標の200台を1カ月で達成し、売れ行きを快調に伸ばしている。XM1を実際に街中で試乗し魅力を探った。

 自然な加速感

 XM1は、電動アシスト自転車でありながらアウトドアを走るマウンテンバイクとして設計された。小径のロードバイクに比べて大型で、フレームとタイヤが大きく、乗ると視線が高くなったように感じる。タイヤ幅があるため安定感が高く、路面の亀裂や側溝の穴、車道と歩道の境目の段差などを気にすることなく走れる。

 マウンテンバイク仕様の電動アシスト自転車は、これまでも他社から発売されていた。ただ、バッテリーなどは一般的な電動アシスト自転車から転用したと思われるものを採用している。転用したモデルでは、バッテリー形状が四角のため、後輪の近くに配置されているものが多い。

 これに対し、XM1はバッテリーの形状をフレームと一体化したかのように設計されている。設置位置はフレームの前方で前輪のすぐそばだ。他社製転用モデルと比べて自転車の重心が前方にあるため、乗車時の重心バランスが良い。

 電動アシスト機能は「ECO」「AUTO」「HIGH」の3種類がある。いずれのモードでも、シティーサイクル型電動アシスト自転車のように、前方から引っ張られるような加速感はなく、ペダルを踏み込む力に比例して自然に加速していく。

 ECOモードでは発進から20~30メートルほどで時速18キロくらいに到達する。AUTOやHIGHでは同じく時速20キロ超となる。そこからのスピードの伸びはなく、さらに加速したい場合は、アシストのない状態で加速するのと同じようなペダルこぎが必要となる。無理なく加速したときの最高時速は28キロくらいだった。

 XM1は当然ながら坂道も難なく越えられる。AUTOやHIGHであれば急坂も上ることができる。

 10段の変速機

 シティーサイクル型電動アシスト自転車と大きく異なるのが、外装10段シフトの変速機が搭載されていることだ。電動アシスト機能を使わないときや、バッテリーが切れた状態でも、ギアを変速させれば、それなりに快適に走れる。

 足回りについては、フロントにサスペンションを搭載している。サスペンションのロックまたは解除ができるスイッチがハンドルの右手側にあり、走りながら簡単に操作できる。段差などが多い所では特に便利だ。

 ブレーキは前輪と後輪ともにシマノ製ディスクブレーキが採用され、雨などでぬれた路面でもブレーキがよく効く。ブレーキの効きが安定している上に、電動アシストがあるため初速が楽で、赤信号や交差点などでの一時停止も苦にならない。

 街中で使用する際の課題は車体の大きさだ。自転車専用駐輪場に停車する際には、チャイルドシート搭載の電動アシスト自転車と同等以上に置きづらい。ただし、XM1はダートコースなどのアウトドアで力を発揮する。今回は街中での試乗だったが、XM1が得意とするダートコースでぜひ走ってみたいと感じた。(インプレスウオッチ)