富士ゼロックス1万人削減 米社と経営統合

 
富士フイルム本社近くの展示場にあるロゴ=2017年6月、東京都内(ロイター)

 富士フイルムホールディングス(HD)は31日、米複写機大手ゼロックスを買収すると発表した。株式の50・1%を取得して傘下に入れ、合弁子会社の富士ゼロックスと経営統合させる。富士ゼロックスは、国内外を対象に1万人を削減する。

 富士フイルムHDの古森重隆会長は東京都内で記者会見し「一貫した世界戦略、経営戦略の展開が可能になる」と述べた。

 富士ゼロックスは現在、富士フイルムHDが75%、米ゼロックスが25%を出資する。工場の統廃合に加えて営業や開発の体制も再編し、事業の採算を改善する。ペーパーレス化の進展などから市場環境が厳しさを増しており、抜本的な構造改革に踏み切る。

 富士フイルムHDは2018年3月期の連結業績予想を修正し、本業のもうけを示す営業利益を従来の1850億円から1300億円へ引き下げた。複写機事業の苦戦や構造改革に伴う費用を反映した。最終利益は有価証券の売却益などを考慮して従来の1250億円から1400億円へ引き上げ、過去最高を更新する見通しだ。

 構造改革費用は18年3月期に発生する490億円を含め、3年間で計720億円を見込む。