電子出版物の17年売り上げ16%増 「紙」含む市場全体の13.9%
2017年の電子出版物の売り上げが約2215億円となり、前年比16.0%増と躍進したことが25日、出版科学研究所(東京)の調査で分かった。電子が出版市場全体の約13.9%を占めるまでに拡大した。
担当者は「電子出版の成長は鈍化しつつあるが、読者の認知は着実に広がっている。特に漫画の売り上げは増えていくだろう」と予測している。
調査によると、紙と電子を合わせた出版市場規模は約1兆5916億円で、前年比4.2%減となった。
昨年12月の同調査では、紙の漫画単行本やコミック誌の売り上げが10%以上も激減していることが判明したが、その多くを電子が穴埋めし、市場規模の減少幅を抑えた格好だ。
電子コミック市場では、スマートフォン向け漫画アプリ「ピッコマ」などが人気を集め、スクウェア・エニックスや白泉社といった出版社が手掛ける電子コミックの新しい収益モデルも生まれた。他方、違法の海賊版サイトが、全体の売り上げに悪影響を及ぼしたとみられている。
昨年12月に速報値が発表された紙の出版物推定販売金額は、今回の調査で雑誌は約6548億円、書籍は約7152億円、合計約1兆3701億円で確定した。
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