平成29年末お金の量479兆円 過去最大、増加率は低く
日銀は5日、金融機関からの国債買い入れなどで世の中に供給している平成29年末のお金の総額が、前年末比9・7%増の479兆9976億円になったと発表した。11年連続で前年を上回り過去最大を更新したが、増加率は大規模な金融緩和策を導入した25年以降で最も低い水準だった。
お金の供給量は「マネタリーベース」と呼ばれ、金融緩和の目安の一つとされる。日銀は28年9月に金融政策の枠組みを見直し、操作目標をお金の量から金利に変更。国債の買い入れは年80兆円をめどとするものの実績は縮小傾向のため、マネタリーベースの伸び率低下につながった。
金融機関が日銀の当座預金に預けている残高は11・6%増の368兆4894億円。紙幣は4・2%増の106兆7165億円、貨幣は1・0%増の4兆7917億円だった。
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