野菜のタネ、貸し出しします “図種館”で特産の種を保存
島根県津和野町の種苗店が、地域特産の野菜の種を集めて販売につなげようと、種の貸し出しや保存をする「タネの図種館」活動に取り組んでいる。交換会やワークショップを開き、これまで約30種類が集まり「受け継がれてきた種を残していきたい」と意気込む。
図種館は、明治時代から続く「俵種苗店」の中にある。瓶に詰めた数種類の種が並び、近隣の人が持ってきたインゲンマメ、家庭で祖母から託されたという赤いソラマメなど、地域に伝わってきたものがほとんど。
運営するのは同店従業員の俵志保さん(40)と、農業山口敦央さん(36)で、2016年春に始動。種は貸出帳に記入して借り、収穫後に返却する仕組みだ。
貸し出す種は、在来種保存に普段取り組む山口さんが収穫したり、農業をする人らが持ち寄る交換会で集めたりしたもの。交換会はこれまで3回開き、島根県のほか山口県や広島県などから各回40~50人が参加した。
種への理解を深めてもらおうと、展示会や、野菜から種を採るワークショップも開催している。
市販されている種は同じ種を収穫できないように改変してあることも多く、俵さんは「種が育つと、その実から種を収穫するという循環をよく知ってほしい。少しずつ種類や在庫を増やしたい」と話す。
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