地方局出身の女性アナ集結 「女子アナ47」で地方創生目指す

 
長崎真友子社長

 地方局出身の女性アナウンサーが集結し、「女子アナ47(フォーティセブン)」というグループが立ち上がった。国民的アイドルグループと響きが似ているため「歌や踊りを行うグループ」といったイメージが頭をよぎるが、実際は地方創生を目標に掲げ、イベントの司会から番組作りに至るまでさまざまな仕事に携わっていく。その仕掛け人が、Cheering(チアリング)の長崎真友子社長だ。

 フリマで洋服販売

 長崎社長は九州朝日放送(福岡市中央区)の元アナウンサー。3年ほど勤めた後、フリーアナウンサーに転じ活動拠点を東京に移した。仕事と並行して番組で使用した洋服を販売する「女子アナフリーマーケット」などを企画。その縁で地方局出身アナウンサーとの関係性が深まり、女子アナ47を思いついて2015年にCheeringを設立した。その後、結婚と出産が続いたため活動を中止していたが、本格的な活動に乗り出すことになった。

 世の中には、多くの“自称”フリーアナウンサーが存在する。だが、女子アナ47に加盟するには、地方局に在籍していたことが条件となる。単にニュースを読んだりリポートを行うだけではなく、自分でカメラを回し映像を編集したり、時には台本を書くなど「地方局のアナウンサーを経験していなければできない仕事」(長崎社長)に携わってきたことが強みとなるからだ。

 地方出身の女子アナはロケ地などの取材を通じて、おいしい食べ物や穴場スポットを数多く知っている。このため蓄積された情報を武器に地域の街おこしや観光産業の活性化、番組づくりなど多彩な活動を展開していく考えだ。

 とくに意欲を示しているのが、名産品のPRを通して地域創生に発展するような仕事。女子アナ1人の情報発信力だけでは限度があるが、「メンバーが束になって『女子アナ47として応援しています』といった形で自治体や企業と連携して取り組んでいけば、注目される可能性は高い」とみている。

 100人加盟目標に

 知名度アップに向けて本格的に取り組むのが、地方PRの記事化。それぞれの地方に関わったメンバーが責任をもって執筆し、女子アナ47の「47都道府県総合サイト」を通じて発信する。

 イベントの企画にも力を入れていく。例えば地方の名産品を訴求するためのイベントを東京で開催した場合、「女子アナ47が関わっていけば、地元の出身者ばかりが集まるようなイベントにはならない」と自信を示す。各アナウンサーには地元を中心に熱心なファンがついている。告知を行えばさまざまな地方の出身者の動員につながり、名産品が広く知れ渡る可能性があるからだ。

 現在のメンバーは30人ほど。北海道から沖縄に至るまで日本各地に地方局があるため、47都道府県すべてからメンバーを集め、100人規模まで増員することが当面の目標だ。

【プロフィル】長崎真友子

 ながさき・まゆこ 北九州市立大外国語卒。2008年九州朝日放送入社。フリーアナウンサーを経て、15年11月から現職。31歳。福岡県出身。

【会社概要】Cheering

 ▽本社=東京都港区赤坂4-9-25 新東洋赤坂ビル5階

 ▽設立=2015年11月

 ▽従業員=3人

 ▽事業内容=企画開発や動画制作など