村田製作所、ソニーの工場取得 来春からスマホ部品を生産
村田製作所は15日、ソニーの旧根上工場(石川県能美市)を2017年度中に取得すると明らかにした。18年春からスマートフォン向けの部品を生産する。工場取得後の設備投資も含めた総投資額は300億~400億円になる見込み。米アップルのiPhone(アイフォーン)向けなどスマホの薄型化に対応した高機能の部品を増産し、収益拡大を目指す。
同工場ではソニーがカメラ向けの部品を手掛けていたが、14年に生産を休止。半導体組み立てを行うジェイデバイス(大分県臼杵市)に貸与していたが、今年に入ってこの企業も撤退したため村田製作所が取得を打診していた。石川県内にある同社の別の工場にも近く、人員の移動など連携も取りやすいと判断した。
村田製作所はスマホの回路の役割を果たす基板を生産する。独自技術で薄いスマホにも搭載しやすくした高付加価値の製品で、富山市の工場などで製造してきたが、需要に追い付いていなかった。今回の工場取得で全体の生産能力を増強し、18年度には生産量を16年度の約2倍にする方針だ。
雇用規模は100~200人を見込む。基本的に別の拠点からの配置転換で対応し、新規採用が必要かは今後検討する。
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