(4-1)女性活躍推進で美容業界に追い風
美容新時代□彩グループ代表 株式会社ブルーム・クラシック代表取締役社長 田部早巳氏
ダイバーシティ推進に取り組む企業が加速的に増えるなど、女性活躍を後押しする動きが活発化している中、美容業界が活況を呈している。経済が揺れ動く状況下でも、美容業界は景気変動の影響を受けにくいとされている。一方で参入する企業も多く、競争が激しい業界でもある。こうした中で、独自の美容ビジネスを展開し、業界の中でも飛躍的な成長を遂げてきた「彩グループ」の田部早巳社長に、美容業界の現状と同社の躍進の秘訣、今後の展望について話を聞いた。
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◆美容業界は9兆円産業
美容業界は、エステティックサロンなどのサービスを行う「美容産業」に加え、「化粧品産業」「婚礼産業」まで含めると約9兆円もの巨大市場に成長している。「美しくありたい」という女性のニーズは普遍的なものであり、日々進化する化粧品や多彩なサービスを提供する美容関連サロンの参入なども相次ぐ。さらに、ここ数年は「女性活躍推進」という新たな追い風が吹いている。昨年4月に「女性活躍推進法」が施行され、女性がますます社会で必要とされ、キャリアアップが期待される時代になった。こうした変化に伴って、働く女性たちは、これまでにも増して「美しさ」や「ストレス解消のためのリラクゼーション」を求めると予測され、美容関連ビジネスは、さらなる伸長が期待されている。
こうした追い風を受け、活気づくとともに競争が激化している美容関連業界で、勢いに乗っているのが「彩グループ」だ。近年、日本経済はバブル崩壊やリーマンショックなど、数々の荒波に揉まれてきたが、こうした難局に直面しても揺らぐことなく、事業拡大を実現。独自の美容ビジネスを展開し、業界の中でも飛躍的な成長を遂げてきたことで注目を集めている。
◆30年で事業を拡大
「私はある化粧品会社に入社して訪問販売に携わった後、1987年に独立し、フェイシャルエステティックサロンを開設。エステ施術だけではなく、店舗に接客スペースを設け化粧品も販売する、いわゆる“サロン販売”のビジネスからスタートした。わずか1店舗、自分を含めて7名のスタッフでスタートし、翌年から次々とエステティックサロンを出店していった」。こう振り返るのは、彩グループの代表を務める田部早巳社長である。今年創業30周年を迎える同グループは、わずか1店舗から美容ビジネスをスタートし、現在では約50店舗の直営店と約100店舗のパートナー店を全国展開。東京に本社を置く「ブルーム・クラシック」を親会社とする国内10社、海外5社(中国、韓国、シンガポール、フランス、マレーシア)の子会社等を有している。エステティック専門化粧品、オーガニック化粧品をはじめとする化粧品・美容関連商品の研究開発、製造、販売及び、エステティックサロンの運営など幅広い事業を展開。2016年度は、グループ全体の総資産が約153億円、純資産が約90億円に上り、100億達成も目前という右肩上がりの経営を持続している。
女性のニーズにいち早く寄り添い、「全女性が求めている美と健康を通して社会に貢献する」というコンセプトを掲げてきた彩グループ。景気変動にも影響されることのない強固な企業体質の形成には、独自の経営手法や品質へのこだわりなど、30年培ってきた一つひとつのノウハウが丁寧に生かされている。
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【プロフィル】田部早巳
たべ・はやみ 1956年高知県生まれ。化粧品販売などを経て、1987年に株式会社モア・フェスタを創業。現在は株式会社ブルーム・クラシックを親会社とする国内10社、海外5社の子会社などを含めた彩グループ代表を務める。
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